真っ白な館

思い付いたことを書きます。

樺太旅行記①:前準備・1日目

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
実は、昨年の後半に樺太ことロシア連邦のサハリンに行ってまして、そのときのレポートをあげます。本当は去年のうちにあげておきたかったけど、ちょっと年末年始ドタバタしてて2019年に持ち越してしまった。3記事くらいにわけて投稿する予定。

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技法と構成におけるラテンアメリカ文学の極北——ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』

以前、TwitterNetflix新興宗教ドキュメンタリーの話をしていたら「こういう面白い感想が書けるようになりたい」という反応をもらったことがあり、そう言われたこと自体は大変嬉しいけれど、実際のところ俺の感想が面白いわけじゃなくてその作品が面白いだけなんですよね。なぜかというとネタバレをガンガンやっているから。俺がドキュメンタリーに感じている面白さとは「フィクションでは『唐突すぎる』と怒られそうな展開が、現実ではガンガン起きていることの驚愕と衝撃」なのであり、そしてこれは俺の文章力・言語化能力の問題だが、フィクションの感想と違ってノンフィクションになると「俺が一体何に驚いたのか」を書き連ねようとするので、ネタバレに対するハードルを自然と下げてしまう。結果ネタバレをガンガンしてしまう。面白い感想を書く一番簡単なポイントはネタバレなわけだ。
しかし、ネタバレというものが本当に駄目なものなのかというのもそれは作品によりけりかなぁ、という思いもあり、たとえばリアルタイムで連載されている作品のネタバレは控えるべきであろうけれど、古典作品はもはやネタバレもクソもないよねという話はあり、もっと言えば「日本語では読めない作品」の紹介はむしろどういう話なのかを紹介するのに意義があるのではないか、その意味で90年代~2000前半までラテンアメリカの未訳小説を数十作と紹介した安藤哲行氏はすごいんだよ『現代ラテンアメリカ文学併走』はみんな読んだほうがいいぞ、などといったことを考えてしまう。
なぜこのような話をしているか。そういうことを思いつつも、以下の『夜のみだらな鳥』の感想はあらすじをがっとほぼほぼ丸々説明しているからです。この作品が如何にすごいかを考えていたら自然とあらすじを全部書いてしまっていた。申し訳ないとは思うけれど、『百年の孤独』のあらすじを説明したとしてもあれは読み味・語り味そのものに最大の魅力があるわけだからネタバレが面白さを損なうことがないように、あとめっちゃ分厚いから読みたいひと以外は読まないだろうし、ガンガンネタバレをやっていく所存です。未読者は回れ右してくださいね。
※以下、ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』に関する重大なネタバレがあります

夜のみだらな鳥 (フィクションのエル・ドラード)

夜のみだらな鳥 (フィクションのエル・ドラード)

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「現実」と「フィクション」のゲシュタルト崩壊——写楽街『心霊×カルト×アウトロー』(2018)

一時的にNetflixからAmazonプライムビデオに切り替えていて(そういった解約処理が簡単にできるのはありがたい。気が向いたときに再契約する意欲がわく)、たまたま眼に入った『心霊×カルト×アウトロー』が面白そうだったので観てみた。
ダークホースだった。おそらく「カルト・新興宗教ドキュメンタリー」の中でも屈指の出来である。80分もないドキュメンタリー映画なので、できればこのまま回れ右してここをクリックし、観てほしい。ドキュメンタリーもののネタバレは遠慮なくしていく方針なのだが、本作はネタバレしないで観てもらったときの方が一番楽しめると思う。
※以下、『心霊×カルト×アウトロー』の結末に関する重大なネタバレがあります

『心霊 × カルト × アウトロー』特報

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完全新作・換骨奪胎・百合・続編――『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション2』感想

11月6日(火)の試写会に当たっていたので観てました。
※以下、エウレカセブンシリーズのネタバレを大いに含みます。


映画 『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』 本予告60秒

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京都SFフェスティバル2018参加レポート

タイトルの通りです。実は、9月後半に樺太旅行に行ってきたので本当はそっちのレポート記事を上げたいのだが、画像を上げる手間が結構大変なので後回し。

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「実在の事件の再現ドラマ」という体裁の「イカれた怪作」——『ジョンベネ殺害事件の謎』(2017)感想

怪作である。怪作以外の何物でもない。
www.netflix.com

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