真っ白な館

思い付いたことを書きます。

日記:『犬神家の一族』、『ペンギン・ハイウェイ』、『DISMEMBER』

  • 24日の夜に『犬神家の一族』(市川崑、1976)を観た。「湖から足が突きでた死体の映画」くらいの情報しか知らず、今これを書きながらWikipediaの基礎情報を観て「日本映画の金字塔」と呼ばれているのかということを知ったくらいだ。角川映画の第1作ということらしいが、これを一番最初に作ったのすごいな。かっこいいシーンの連続で、度肝をぬかれた。古い町並み。演奏中の琴をアップで映したカットの躍動感。ところどころのシーンでコンマ数秒はさまれる、象徴的なカット。菊人形に添えられた生首を見つけたときの、恐怖の表情のいきいきとしたこと!*1 ところどころで目や口のカットが大写しで挿入されるのもおもしろい。青沼菊乃に襲いかかった回想シーンの怪しさ・恐ろしさもだ。映像的に全編目が離せないという、おもしろい経験をした映画だった。
    • ところでNetflixリンクのブログ埋め込みが英語になるのどうすればいいんだろうな……。

www.netflix.com

  • 25日の午前に『ペンギン・ハイウェイ』を観た。原作とか売り切れてて買えなかったパンフレットとか手に入れたら別途感想記事を書くが、9歳の少年に世界の果てを見せつつ性癖と恋慕と憧憬と呪いと思い出をまとめて全部植えつける激クソヤバイ作品だった。異性への未分化な感情・大人への憧憬・避け得ない離別・世界の果てへの希求を高度に脱臭・融合・昇華して奇跡のような煌めきを生み出してる。おっぱい映画だと思ってスルーせずさっさと観に行ってください(一要素への言及として間違っていないが本質は捉えていない、という話も別途書きます)。どう考えても煌めきとしか言いようがないのだけれど物語が進むにつれてアオヤマくんにある種の呪いが刻みつけられていく過程を見せつけられて悲鳴もあげる。そしてその呪いは高度に昇華されているので呪いではなくなっている、はずなのだがそれは一体なんて名前をつければいいものか。YoutubeスペシャルPVがあったので貼っておきますね。


『ペンギン・ハイウェイ』 スペシャルトレーラー

  • 午後は友人たちと会っていた。話の種に、先日手に入れた『DISMEMBER』という非電源ゲームを見せた。プレイヤーみんなで女の子を痛めつける四肢切断リョナゲームだ。リョナに対する嗜好素養はない*2。が、この画像を見てほしい。見ました?これすごくないですか。画像にインパクトありすぎる。ありすぎたので夏コミテンションで知人協力のもと買ってしまった。買ってしまったはいいが、プレイするタイミングが難しい。というか実はそれほどしたくない。このゲーム、「プレイヤーたちは秘密の会合を開いており、今から誘拐してきた女の子をみんなで順番に痛めつける」という設定であり、女の子が死んだら一番痛めつけた主犯が負け、女の子が死ななかったら一番痛めつけることをしなかった偽善者が負け」というルール。偽善者て。謎テンションだったのがルール書いた紙を読みながらどんどん真顔になっていた*3。ゲームとして負けないためには多少痛めつける必要があり、1位の人間を負かすために女の子を殺すという選択が許されている。ゲームとしての最適解が女の子への加害を推奨するのが倫理観をいい感じにハックしていて頭がクラクラする。この手の倫理観に対するアナログハックという意味では、先日の鳩羽つぐクラウドファンディングも相当アレですよね、というのは誰かが呟いていましたね。誘拐犯(とおぼしき運営)にお金を出して謎の女の子のプライベートな日記と映像記録を購入しよう!30000円出資した人にはVHSが送られてくるよ!

*1:そういえば、「日本人の役者は演技が下手」という記事を先日見たが、ある種のわざとらしさを伴った、喜怒哀楽のはっきりした演技というのはこの流れなのだろうか、とふと思った。根拠はないので妄言として聞き流しておいてほしい

*2:ないのだが、先日プレイした『みにくいモジカの子』はいじめっ子の女の子に全力腹パンするシーンがあってすごかった。

*3:ちなみに、そこには誘拐された被害者のプロフィールが書いてある