真っ白な館

思い付いたことを書きます。

小説

『リコリス・リコイル』におけるテーマと呼べそうなものに関するメモ

親離れの話であり、「自分なりの信念を持っていれば、その信念は社会正義と等価値になる」という話である。

『文体の舵をとれ』2章練習問題

10月くらいに1章練習問題上げてそのままにしてましたが、一応ちゃんと友人らと継続的に実施してます。昨日は7章まで終えました。単に上げるのサボってるだけですね……。 前回はこちら。 whiteskunk.hatenablog.com

宮田眞砂『夢の国から目覚めても』について、あるいは現実の中で夢を見ること

「真摯」、という言葉がまず脳裡に浮かびます。「百合小説の、百合小説による、百合小説のための新たなる金字塔!」と帯で銘打たれたこの作品においてまっさきに出てくる主語が「百合」なのは言うまでもないのですが、その為その問題は一度棚上げして文をす…

チャック・パラニューク"Rant"読書メモ2(4-9章)

前回から1年以上開いてるのは勿論読むのを完全に中断していたからです。 文章にまとめるため読んだ箇所を再読してたら「えっこういう話だったの?」みたいな気づきというか理解せずに読み飛ばしていた箇所がゴロゴロ出てきたのでむしろ誤読があったら指摘し…

【宣伝】同人誌にアレナス論を寄稿しました&10月くらいに受賞作発表します

要約 第10回創元SF短編賞日下三蔵賞受賞者の谷林守氏による、受賞後初の文章が読めるのはカモガワGブックスだけ!(やや行儀の悪い宣伝) pic.twitter.com/0PSNrwtFYY— 鯨井@C96日曜西こ30b委託 (@hanfpen) August 7, 2019 おおよそ発表の目処がついたので告…

技法と構成におけるラテンアメリカ文学の極北——ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』

以前、TwitterでNetflix新興宗教ドキュメンタリーの話をしていたら「こういう面白い感想が書けるようになりたい」という反応をもらったことがあり、そう言われたこと自体は大変嬉しいけれど、実際のところ俺の感想が面白いわけじゃなくてその作品が面白いだ…

日記:宮沢賢治、『ヘレディタリー/継承』、宇多田ヒカルライブ、やが君ノベライズ

こういうかたちで書き散らしてるときは大体筆が止まっているとき。

京都SFフェスティバル2018参加レポート

タイトルの通りです。実は、9月後半に樺太旅行に行ってきたので本当はそっちのレポート記事を上げたいのだが、画像を上げる手間が結構大変なので後回し。

チャック・パラニューク"Rant"読書メモ1(1-3章)

数年前に紀伊國屋の洋書セールで手に入れて以来全然読んでいなかったので、読書を再度おこなうことにする。 どこかの会社が版権をおさえてしまっていて、完全に翻訳が止まっているhttps://twitter.com/kiichiro/status/17967123242426370 という噂もあるパラ…

日記:免許更新、国会図書館、『ペンギン・ハイウェイ』連載版、宗教法人名簿、参議院見学

運転免許の更新をするついでに、会社を1日休んだ。新宿の運転免許更新センターに行こうか迷ったが、混んでいるという情報があったので、神田の方に行くこととした。実際、神田だとほとんど待ち時間もなく、サクッと取得ができた。とはいえペーパードライバー…

『宇宙戦争』を観て『完璧な夏の日』を思い出した話

※以下、『宇宙戦争』(スティーヴン・スピルバーグ、2005)と『完璧な夏の日』(ラヴィ・ティドハー、2013/邦訳2015)のネタバレを含みます

円城塔について

togetter.com 私自身『文字渦』はまだ読んでおらず、今読んでいるのは『プロローグ』だ。5月末に『エピローグ』を読んでいて、その後『プロローグ』を読みはじめたが、なんだかんだで3ヶ月かかっている。そのようなスタンスの人間から見た限り、ここで出てく…

レイナルド・アレナス『夏の色』について

レイナルド・アレナス『襲撃』を再読している。レイナルド・アレナスが「キューバの隠された歴史」を描くことをテーマにしたペンタゴニア(苦悩の五部作)の第五部である。 テーマや主人公のモチーフ的なものを一貫させていることから五部作とされているが、…