真っ白な館

思い付いたことを書きます。

樺太旅行記3日目

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コルサコフにあった軍人の銅像
めっちゃくちゃ遅くてもうすぐ一年になりそうです。実際のところレポ自体は全部書き上げてmixi日記に全部アップしていて、こちらに転載するのをめんどくさがっているだけでして……。
前回まではこちら。
whiteskunk.hatenablog.com

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Crypkoがゲームとして衝撃だった理由を説明する

はじめに

www.itmedia.co.jp
これのブコメに「ブロックチェーンかゴミかよ」「補助金もらえますね」「プロのイラストレーターには勝てない」みたいな的外れなコメントがついているのを見て、これ解説しないとダメだわということに気づいたので書いておく。
なお、自分はCrypkoのオープンβ版しか遊んでいないので、PFNが提供を始めた現行のサービスがこの解説と同じサービスであることは保証しない。

要約

旧Crypkoのキモは次の3つだった。

  • 女の子を「合成・配合・売買・貸与」することが倫理観をハックする
  • ブロックチェーン技術で画像の一意性を確保しつつ仮想通貨取引と紐付けて収益をあげるシステム(ただしβ版のときは無料)
  • ワンクリックできれいな画像がサクッとできあがることの快楽/所有欲

このサービスにおいて、ブロックチェーン技術の特徴・長所をシステムにしっかりと組み込んだ意味のあるものなので、「流行りの技術を適当に使っただけ」という感想は完全に的外れだ。大体ITmediaの記事ただプレスリリースぶん投げただけじゃねえかよまともな解説の一つでも入れろっての。

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樺太旅行記①:前準備・1日目

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
実は、昨年の後半に樺太ことロシア連邦のサハリンに行ってまして、そのときのレポートをあげます。本当は去年のうちにあげておきたかったけど、ちょっと年末年始ドタバタしてて2019年に持ち越してしまった。3記事くらいにわけて投稿する予定。

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技法と構成におけるラテンアメリカ文学の極北——ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』

以前、TwitterNetflix新興宗教ドキュメンタリーの話をしていたら「こういう面白い感想が書けるようになりたい」という反応をもらったことがあり、そう言われたこと自体は大変嬉しいけれど、実際のところ俺の感想が面白いわけじゃなくてその作品が面白いだけなんですよね。なぜかというとネタバレをガンガンやっているから。俺がドキュメンタリーに感じている面白さとは「フィクションでは『唐突すぎる』と怒られそうな展開が、現実ではガンガン起きていることの驚愕と衝撃」なのであり、そしてこれは俺の文章力・言語化能力の問題だが、フィクションの感想と違ってノンフィクションになると「俺が一体何に驚いたのか」を書き連ねようとするので、ネタバレに対するハードルを自然と下げてしまう。結果ネタバレをガンガンしてしまう。面白い感想を書く一番簡単なポイントはネタバレなわけだ。
しかし、ネタバレというものが本当に駄目なものなのかというのもそれは作品によりけりかなぁ、という思いもあり、たとえばリアルタイムで連載されている作品のネタバレは控えるべきであろうけれど、古典作品はもはやネタバレもクソもないよねという話はあり、もっと言えば「日本語では読めない作品」の紹介はむしろどういう話なのかを紹介するのに意義があるのではないか、その意味で90年代~2000前半までラテンアメリカの未訳小説を数十作と紹介した安藤哲行氏はすごいんだよ『現代ラテンアメリカ文学併走』はみんな読んだほうがいいぞ、などといったことを考えてしまう。
なぜこのような話をしているか。そういうことを思いつつも、以下の『夜のみだらな鳥』の感想はあらすじをがっとほぼほぼ丸々説明しているからです。この作品が如何にすごいかを考えていたら自然とあらすじを全部書いてしまっていた。申し訳ないとは思うけれど、『百年の孤独』のあらすじを説明したとしてもあれは読み味・語り味そのものに最大の魅力があるわけだからネタバレが面白さを損なうことがないように、あとめっちゃ分厚いから読みたいひと以外は読まないだろうし、ガンガンネタバレをやっていく所存です。未読者は回れ右してくださいね。
※以下、ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』に関する重大なネタバレがあります

夜のみだらな鳥 (フィクションのエル・ドラード)

夜のみだらな鳥 (フィクションのエル・ドラード)

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