真っ白な館

思い付いたことを書きます。

日記:免許更新、国会図書館、『ペンギン・ハイウェイ』連載版、宗教法人名簿、参議院見学

  • 運転免許の更新をするついでに、会社を1日休んだ。新宿の運転免許更新センターに行こうか迷ったが、混んでいるという情報があったので、神田の方に行くこととした。実際、神田だとほとんど待ち時間もなく、サクッと取得ができた。とはいえペーパードライバーなので、時々は運転しておかないとなのだが……。
  • 時間が余ったので、ついでだしと国会図書館に行くことにした。Twitterでこんなつぶやきを見つけたからだ。
    • (よくみたら、これ書いてる段階において、リプライのやりとりで解決してる……)

  • やまいだれという地名が存在しているのはたしかなので、当時の宗教法人名簿を見たら何かわかるかな、と思ったのだ。宗教法人名簿を見てみたいという好奇心もあった。結論からいうと、一乗寺病ダレという場所に宗教法人は存在しなかった。まあそんなもんである。
    • それはそうと、宗教法人名簿を見て思ったことは、「名簿だな」だった。当たり前である。載ってるのはほぼほぼ9割5分方が寺か神社なのだから、別にみていておもしろいものではない。強いて言うなら「生長の家」は結構あるんだな、くらいのことで(今回自分が見たのは神奈川と京都の名簿)、その住所や代表者名から更に深掘りする、みたいなことをしないのであれば、別に興味深くもなんともない。
      • そういえば、小野不由美残穢』は「作家」が自分に手紙をくれたひとの住むマンションに、昔なにがあったのかを深掘りしていくという内容だった。データベースは何かの目的のために参照するものである、と改めて実感する。
  • ついでに、『ペンギン・ハイウェイ』について何か面白い情報は載っていないかと、「野性時代」の連載版を軽く読んでみた*1。こっちは想像以上の収穫で、書籍版と全く話やキャラクターの造形・描写が違う。お姉さんは少し幼めになっているし、スズキくんが途中で友達から見捨てられるとか、映画や書籍を読んだあとだとかなりびっくりする描写が多い。全体的に、筆のままに書いていた雰囲気がある。検索した感じ、書籍と連載版の比較をやってる人がいないのでやってみるのもありか。気が向いたら国会図書館にもう一度行ってがっつり比較してみるかも。
  • その後は国会図書館の横にある国会議事堂を見学した。そういや無料で観れるんだよな、というのに帰る途中で気がついたので。これは予想外に楽しかった。参議院の本会議堂に「皇族席」や「貴賓席」がバルコニーとして存在するとか、議長席の後ろには「お席」と呼ばれる天皇のみが開会の際にのみ座る席が存在する(普段はカーテンが閉まっていて見えない)とか、議長席正面2階にはやはり天皇・皇后両陛下が傍聴するための「御傍聴席」があるけれどここは一度も使われていないとか、参議院242席に対して実際の席数は貴族院時代の名残で260席(空席が16ある)とか、そういう細かなトリビアに驚かされっぱなしであった。日本でも有数の戦前建築は一見の価値ありだ。

*1:2007年12月号〜2008年9月号。貸し出し冊数の関係&操作ミスにより、1話と最終話にあたる07年04月号と08年10月号は閲覧できなかった

日記:『犬神家の一族』、『ペンギン・ハイウェイ』、『DISMEMBER』

  • 24日の夜に『犬神家の一族』(市川崑、1976)を観た。「湖から足が突きでた死体の映画」くらいの情報しか知らず、今これを書きながらWikipediaの基礎情報を観て「日本映画の金字塔」と呼ばれているのかということを知ったくらいだ。角川映画の第1作ということらしいが、これを一番最初に作ったのすごいな。かっこいいシーンの連続で、度肝をぬかれた。古い町並み。演奏中の琴をアップで映したカットの躍動感。ところどころのシーンでコンマ数秒はさまれる、象徴的なカット。菊人形に添えられた生首を見つけたときの、恐怖の表情のいきいきとしたこと!*1 ところどころで目や口のカットが大写しで挿入されるのもおもしろい。青沼菊乃に襲いかかった回想シーンの怪しさ・恐ろしさもだ。映像的に全編目が離せないという、おもしろい経験をした映画だった。
    • ところでNetflixリンクのブログ埋め込みが英語になるのどうすればいいんだろうな……。

www.netflix.com

  • 25日の午前に『ペンギン・ハイウェイ』を観た。原作とか売り切れてて買えなかったパンフレットとか手に入れたら別途感想記事を書くが、9歳の少年に世界の果てを見せつつ性癖と恋慕と憧憬と呪いと思い出をまとめて全部植えつける激クソヤバイ作品だった。異性への未分化な感情・大人への憧憬・避け得ない離別・世界の果てへの希求を高度に脱臭・融合・昇華して奇跡のような煌めきを生み出してる。おっぱい映画だと思ってスルーせずさっさと観に行ってください(一要素への言及として間違っていないが本質は捉えていない、という話も別途書きます)。どう考えても煌めきとしか言いようがないのだけれど物語が進むにつれてアオヤマくんにある種の呪いが刻みつけられていく過程を見せつけられて悲鳴もあげる。そしてその呪いは高度に昇華されているので呪いではなくなっている、はずなのだがそれは一体なんて名前をつければいいものか。YoutubeスペシャルPVがあったので貼っておきますね。


『ペンギン・ハイウェイ』 スペシャルトレーラー

  • 午後は友人たちと会っていた。話の種に、先日手に入れた『DISMEMBER』という非電源ゲームを見せた。プレイヤーみんなで女の子を痛めつける四肢切断リョナゲームだ。リョナに対する嗜好素養はない*2。が、この画像を見てほしい。見ました?これすごくないですか。画像にインパクトありすぎる。ありすぎたので夏コミテンションで知人協力のもと買ってしまった。買ってしまったはいいが、プレイするタイミングが難しい。というか実はそれほどしたくない。このゲーム、「プレイヤーたちは秘密の会合を開いており、今から誘拐してきた女の子をみんなで順番に痛めつける」という設定であり、女の子が死んだら一番痛めつけた主犯が負け、女の子が死ななかったら一番痛めつけることをしなかった偽善者が負け」というルール。偽善者て。謎テンションだったのがルール書いた紙を読みながらどんどん真顔になっていた*3。ゲームとして負けないためには多少痛めつける必要があり、1位の人間を負かすために女の子を殺すという選択が許されている。ゲームとしての最適解が女の子への加害を推奨するのが倫理観をいい感じにハックしていて頭がクラクラする。この手の倫理観に対するアナログハックという意味では、先日の鳩羽つぐクラウドファンディングも相当アレですよね、というのは誰かが呟いていましたね。誘拐犯(とおぼしき運営)にお金を出して謎の女の子のプライベートな日記と映像記録を購入しよう!30000円出資した人にはVHSが送られてくるよ!

*1:そういえば、「日本人の役者は演技が下手」という記事を先日見たが、ある種のわざとらしさを伴った、喜怒哀楽のはっきりした演技というのはこの流れなのだろうか、とふと思った。根拠はないので妄言として聞き流しておいてほしい

*2:ないのだが、先日プレイした『みにくいモジカの子』はいじめっ子の女の子に全力腹パンするシーンがあってすごかった。

*3:ちなみに、そこには誘拐された被害者のプロフィールが書いてある

『宇宙戦争』を観て『完璧な夏の日』を思い出した話

※以下、『宇宙戦争』(スティーヴン・スピルバーグ、2005)と『完璧な夏の日』(ラヴィ・ティドハー、2013/邦訳2015)のネタバレを含みます

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ドキュメンタリーシリーズ『ベトナム戦争の記録』は現実認識の解像度が跳ね上がる

以前この記事でも書いているように、ここ半年ほどはずっとドキュメンタリー番組にはまっている。観るのはNetflixで配信されているものなのだが(他を観ない理由は特にない。契約しているのがNetflixだからです)、今回観たのは『ベトナム戦争の記録』(ケン・バーンズ&リン・ノービック, 2017, PBS[Netflix視聴])だ。
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円城塔について

togetter.com
私自身『文字渦』はまだ読んでおらず、今読んでいるのは『プロローグ』だ。5月末に『エピローグ』を読んでいて、その後『プロローグ』を読みはじめたが、なんだかんだで3ヶ月かかっている。そのようなスタンスの人間から見た限り、ここで出てくるルビ遊びは端的に「こんなことができる」以上のものはない、と思う。少なくとも、「紙の醍醐味」「出版人の本気を見た」などと言っているのは完全にずれている

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